高村光太郎『山のともだち』朗読mp3
山に友だちがいつぱいゐる。
友だちは季節の流れに身をまかせて
やつて来たり別れたり。
カツコーも、ホトトギスも、ツツドリも
もう”さやうなら”をしてしまつた。
セミはまだゐる、
トンボはこれから。
変らないのはウグヒス、キツツキ、
トンビ、ハヤブサ、ハシブトガラス。
兎と狐の常連のほか、
このごろではマムシの家族。
マムシはいい匂をさせながら
小屋のまはりにわんさとゐて、
わたしが踏んでも怒らない。
高村光太郎が奥州花巻の山小屋に移りすんでから7年目の
昭和27年の作です。
これより2か月後高村光太郎は裸婦像製作のために山小屋を出て東京へ戻ります。