高村光太郎の第二詩集。昭和16年龍星閣刊。明治45年「人に」から昭和16年「荒涼たる帰宅」までの 詩29篇、短歌6首、「智恵子の半生」「九十九里浜の初夏」「智恵子の切抜絵」の散文3篇を収める。

人に / 深夜の雪 / 人類の泉 /
樹下の二人 / あどけない話 / 人生遠視
風にのる智恵子 / 千鳥と遊ぶ智恵子 / 値ひがたき智恵子
山麓の二人 / レモン哀歌 / 荒涼たる帰宅 / 梅酒
元素智恵子 / 報告(智恵子に) / 松庵寺 / メトロポオル

第一詩集「道程」から約30年後に出版された。

「荒涼たる帰宅」以外は「道程」と同じく制作年代順に並べられ、光太郎・智恵子の出会いから新婚生活、 愛情の熟成、智恵子の精神の崩壊から死に至るまでが、一本のストーリーのように描かれている。

「智恵子抄」が出版された昭和16年12月、真珠湾攻撃が行われ太平洋戦争が始まる。

露骨な性愛の表現も含む詩集だが戦争中も支持を集め続け、敗戦が決定的となる昭和19年までに13刷を重ねた。

後に詩文集『智恵子抄その後』(昭和25龍星閣刊)も出版された。11篇の短歌、13篇の散文を含む。

現在手に入りやすい新潮文庫版「智恵子抄」は草野心平が昭和31に編集したもので、初版とは構成が異なる。

過去2回映画化されており、1957年版では高村光太郎・智恵子を山村聡・原節子が、1967年版では丹波哲郎・岩下志麻が演じた。

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