高村光太郎『怒』朗読mp3
怒とは何。
怒とは存在の調革。
人そのものに何の怒。
因果の狂ひ、人間の非力に腹が立つ。
非力の者のけなげさを誰が知る。
被ひかぶさる理不尽の力に腹が立つのだ。
腹が立つのを恐れない。
怒は無明のうらうへ。
力の変圧。
雲の密集に孕む熱雷。
怒は人間を浄める。
怒は人類の向きを匡す。
腹が立つのを恐れない。
高村光太郎はこういう、主義主張みたいなものを、わりと
抽象論のまま、バーーっと言っちゃう詩が結構あります。
演説調で一気に朗読すべきと思います。
「腹が立つのを恐れない」「怒は人間を浄める」…力強い詩です。
怒りを恐れ、衝突を避け、へらーと毒にも薬にもならん卑屈な笑みを浮かべて、
そんな生き方はどうよ?という問題提起でしょうか。
高村光太郎の詩には「一生を棒に振って人生に関われ」なんて言葉もありましたが、
なにかこの「怒り」と通じるものがある気がします。
PODFEED