高村光太郎『元素智恵子』朗読mp3を聴く
ドコモ・Sバンク→12
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智恵子はすでに元素にかへった
わたくしは心霊独存の理を信じない。
智恵子はしかも実存する。
智恵子はわたくしの肉に居る。
智恵子はわたくしに密着し、
わたくしの細胞に燐火を燃やし、
わたくしと戯れ、
わたくしをたたき、
わたくしを老いぼれの餌食にさせない。
精神とは肉体の別の名だ、
わたくしの肉に居る智恵子は、
そのままわたくしの精神の極北。
智恵子はこよなき審判者であり、
うちに智恵子の睡る時わたくしは過ち、
耳に智恵子の声をきくときわたくしは正しい。
智恵子はただ嬉々としてとびはね、
わたくしの全存在をかけめぐる。
元素智恵子は今でもなほ
わたくしの肉に居てわたくしに笑ふ。
智恵子さんの死後の詩です。元素になった智恵子が私のまわりにはいる。だから
寂しくなんかないという感じでしょうか。ここまで心酔してると、
ちょっと恐い感じですが光太郎の智恵子への強い気持ちが伝わってきます。
基本的にドスのきいた声で思いっきり朗読し、しかもやかましくならないように普段よりマイクより下がって(50センチくらい)録音しました。