高村光太郎『激動するもの』朗読mp3

さういふ言葉で言へないものかだあるのだ
さういふ考方に乗らないものがあるのだ

さいいう色で出せないものがあるのだ
さういふ見方で描けないものがあるのだ

さういふ道とはまるで違つた道があるのだ
さういふ図形にまるで嵌らない図形があるのだ

さういふものがこの空間に充満するのだ
さういふものが微塵の中にも激動するのだ

さういふものだけがいやでも己を動かすのだ
さういふものだけがこの水引草に紅い点々をうつのだ

(注)水引草…タデ科の多年草。晩夏、紅い小さな花を茎に沿って穂のようにつける。

言葉や数式で表せない、微妙な情緒とか情念こそ大切だということでしょうか。

全段言ってる内容は同じですが、ひとつひとつ違う具体例を持ってきて、 テーマを深めています。特に最後の「この水引草に紅い点々をうつのだ」は 見事と思います。

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