高村光太郎『荒涼たる帰宅』朗読mp3
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あんなに帰りたがつてゐた自分の内へ
智恵子は死んでかへつて来た。
十月の深夜のがらんどうなアトリエの
小さな隅の埃を払つてきれいに浄め、
私は智恵子をそつと置く。

高村光太郎『山麓の二人』朗読mp3
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二つに裂けて傾く磐梯山の裏山は
険しく八月の頭上の空に目をみはり
裾野とほく靡いて波うち
芒ぼうぼうと人をうづめる

高村光太郎『風に乗る智恵子』朗読mp3
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狂つた智恵子は口をきかない
ただ尾長や千鳥と相図する
防風林の丘つづき
いちめんの松の花粉は黄いろく流れ
五月晴(さつきばれ)の風に九十九里の浜はけむる

高村光太郎『あどけない話』朗読mp3
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智恵子は東京に空が無いといふ。
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。

高村光太郎『レモン哀歌』朗読mp3
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そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白いあかるい死の床で
私の手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ

有名な詩
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