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無料解説音声「高村光太郎と智恵子」

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高村光太郎『のつぽの奴は黙つてゐる』朗読mp3
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『舞台が遠くてきこえませんな。 あの親爺、今日が一生のクライマックスといふ奴ですな。 正三位でしたかな、帝室技芸員で、名誉教授で、 金は割方持つてない相ですが、 何しろ仏師屋の職人にしちやあ出世したもんですな。 今夜にしたつて、これでお歴々が五六百は来てるでせうな。 喜寿の祝なんて冥加な奴ですよ。運がいいんですな。 あの頃のあいつの同僚はみんな死んぢまつたぢやありませんか。 親爺のうしろに並んでゐるのは何ですかな。 へえ、あれが息子達ですか、四十面を下げてるぢやありませんか、 何をしてるんでせう。へえ、やつぱり彫刻。ちつとも聞きませんな。 なる程、いろんな事をやるのがいけませんな。 万能足りて一心足らずてえ奴ですな。いい気な世間見ずな奴でせう。 さういへば親爺にちつとも似てませんな。いやにのつぽな貧相な 奴ですな。名人二代無し、とはよく言つたもんですな。やれやれ、 式は済みましたか。ははあ、今度の余興は、結城孫三郎の人形に、 姐さん連の踊ですか。少し前へでませうよ。』

『皆さん、食堂をひらきます。』

満堂の禿あたまと銀器とオールバツクとギヤマンと丸髷と香水と薔薇の花と。
午後九時のニツポン ロココ格天井(ごうてんじょう)の食慾。
ステユワードの一本の指、サーヴイスの爆音。
もうもうたるアルコホルの霧。
途方もなく長いスピーチ、スピーチ、スピーチ。
老いたる涙。
万歳。
麻痺に瀕した儀礼の崩壊、隊伍の崩壊、好意の崩壊、世話人同士の 我慢の崩壊。
何がをかしい、尻尾がをかしい。何がのこる、怒がのこる。
腹をきめて時代の曝しものになつたのつぽの奴は黙つてゐる。
往来に立つて夜更けの大熊座を見てゐる。
別の事を考えてゐる。
何時と如何にとを考へてゐる。


高村光太郎の父、木彫家の光雲の喜寿の席での情景です。 客Aの長い皮肉のあと、会場の欺瞞に満ちた様子が 描かれます。 明治42年光太郎がヨーロッパ周遊から帰国して直後のことです。

光雲は光太郎を中心に彫刻制作会社を発足しようとしていましたが、 光太郎はそれに背き、独自の道を行くと決心していました。

「いつ父に打ち明けよう、父と対決しよう」とドキドキしているのです。

自分を詩中の人物のようにやたらドラマチックに想像する 若い頃特有の感覚がよく出ていると思います。

会場から一人離れて「俺は…奴らとは違う道を行くぜ」とかつぶやいている、 そのやや気負いすぎな、自己陶酔も入ったまっすぐな若さが伝わってきます。

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